そこで、登場するのが「地図記号」ということになります。「ここはこういう場所でこういう大きさの本殿や境内の広さを持つお寺です。周囲は竹林や針葉樹の林で囲まれた景観の素晴らしいところです」といった、お寺について言葉で表現すれば延々と長くなる内容を「地図記号」という形で表現しているのです。冒頭に「地図記号」は「地図の言葉(地図語)」ですといったのがお分かりいただけるかと思います。
地図記号は前述のお寺や神社の記号はほんの一部で、2万千分の1地形図では、現在、およそ175程度(地形図作りは明治初頭以後140年余の歴史があり、その時代を反映して、地図記号も増減を繰り返しています)から成り立っています。
地図上に描かれた山や川・湖の形、道路や鉄道、山村の集落や都市のビル・都市近郊の住宅団地の景況、たんぼや畑・森(針葉樹、広葉樹など)など、眼前に広がる地形や風景・家並みの配置などが全て「地図記号」で表されているのです。
特に2万5千分の1地形図は、国の基本図として約4,340面で全国をくまなく整備する最大縮尺の地図です。開発や環境の変化に伴いこれらの地図は、一定の周期で更新されています。原則的には、大規模な道路や鉄道などが開通したときには、併せて修正が施され、紙ベースでも刊行されます。
国土地理院では、一般的には、都市部3年、都市近郊5年、それ以外は10年周期で更新するのがルールとなっていますが、昨今の厳しい財政事情もあり、かなり遅れ気味になっています。ただし、コンピューター上での修正・更新は、常時修正(1年に1度程度の修正)を目指し、維持管理に努めています(ホームページ上の地形図は比較的新しい)。
したがって、紙ベースの地形図は必ずしも現況を表してはいませんので、新しい道路が無かったり、開発で変わってしまった地形、無くなった家屋などが、以前のままであったりすることがあることも頭に入れておきましょう。
機会を見つけて、是非、「1枚の地形図」を手に持ち、自分たちの住み慣れた地域や場所を改めて訪れてみては如何でしょうか?地図を片手にテクテクと歩いて(ウオーキングして)みると、きっと新しい発見があると思いますヨ!! |